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*** 「ねぇ!2人はなに部に入るの?」 真新しい制服に身を包み、まだ慣れない校舎の廊下を3人で歩きながら後ろを付いてきている2人へ振り返った。 「んー、吹奏楽部とか楽しそうじゃない?」 「えー、あそこ顧問の先生が厳しいらしいよ」 「見学だけでも行こうよー」 「まぁ、あんなすごい演奏見せられたらミーハーな遥加は入りたくなるよね」 「なによ!だって全国レベルなんだよ!気になるじゃん」 「そういうここはなに部に入るの?」 「卓球!!」 私が前のめりに答えると2人は揃って不思議顔だ。 私は中学に入る前から絶対卓球部に入るんだって決めてたんだ。 理由は単純だけど、小学生の時に温泉でやったピンポンが忘れられないから。 初めてやったし、全然上手に出来なかったけれど、すごく楽しかったことは今でも覚えている。 「ねぇ!2人も卓球にしようよ!絶対楽しいよ!それに入る人もきっとそんなにいないだろうし」 そうして私は少々渋る2人を卓球部の部室まで引っ張っていった。 体験してみたら2人が卓球の虜になるのもあっという間だった。 周りには地味なスポーツだと思われているのかもしれないけれど、そんなの関係ない。 こんなに楽しいスポーツだったんだ、卓球は。 そうして私たちは3人揃って卓球部に所属になった。
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