楽しかったとは、「た」と付く時点で過去になる

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「待たせて悪かったな」 「いえ、大丈夫ですよ」 「春~」 「ん、どうした?」 「ちょっと揉んでいい?」 「許すわけがないだろう」 「じゃあ代わりにボクが――」 「今日から生きれなくなってもいいならな」  やはり胸が大きいというのは面倒なものなのかもしれないが、これは無いものねだりと言うものだろう。 小さい人からすると大きいのが良いと言い、大きい人からすると小さい方が良いと言う。 そんなものだろう。 美咲は普通サイズだが、やはり大きい方が良いのだろうか? というか、千里の欲望に忠実なのはどうにかした方が良いのではないかと思考が働く。 「では行きましょうか。 この階段を降りた先がすぐ海です。 パラソルや必要かもしれないと思ったものはすべて用意してあります」 「スイカ! ボート! ビキニ!」 「最後のはおかしい。 というかお前装着してるだろ」 「春さんもですけどね」 「とても魅力的ですよ」 「プライベートビーチでよかった気がする」  本当にこれを見て寄ってくる奴が多くて困る。 性欲を解消したいなら勝手に処理していろと言いたくなる。  それはそれだ、今は海を満喫しよう。 そう思いながら下りていくと、ごみ一つないきれいな海が広がっていた。 さっそくパラソルのところに向かう。 泳ぐと疲れるので、パラソルで出来た日陰に入り座ると横にクーラーボックスがあった。 「深頭、これって……」 「あぁ、必要かと思いまして色々持ってきてあるんですよ」 「ほう。 あ、炭酸」 「好きなんですか?」 「苦手だな。 無炭酸のリンゴジュース的なのはないのか……」 「ありますよ」  探したらペットボトルの○ー的なものがあったので、キャップを開けて飲む。 冷たくておいしいな。 これ放っておいたら水滴が表面について持ったら冷たいんだよな。 どうしたものか。  ふと周りを見ると、それっぽい椅子がある。 よしそこにもパラソルあるし、座るか。 ちなみに、汗かいてくっつくのは仕方ないなと思いながらも水着の上に薄いTシャツを着ている。 おっいいなこの椅子。 深く座れるからゆっくりできる。 ちょうどそれっぽいサングラスがあったのでかけて目を閉じてぼーっとしていると、いつの間にか意識を手放していた。
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