楽しかったとは、「た」と付く時点で過去になる

11/11
前へ
/67ページ
次へ
その後は何事もなく普通に遊んで、夕飯の時間になってきたところで別荘に戻ることにした。 この別荘は先ほどの集合場所が良い感じのバルコニーになってるので、夜空を見るのに適しているのではないのかなとか思っていたりする。  夕飯は野菜炒めにして、適当に済ませることにした。 本当は美咲がカレーがいいと言うことを言っていたのだが、少し寝かせた方がおいしいのではないかと言う千里の発想から明日の朝に作ろうと言うことになった。 もちろん作るのは私なのだろうが、そこらへんは料理を作らない人が作っても仕方ないのでどうしようもないことなのかもしれない。 一回くらい料理を作ったことないやつに作らせてみたいのだが、食べられないものが作られても仕方ないのでやめておこう。 「出来ましたよ。 食器の準備も済んでいるのですぐ食べれますね」 「深頭が料理できるとは思わなかったな」 「お金持ちの人は料理が出来ないって思ってたのは幻想だったのでしょうかね?」 「出来る人は出来て出来ない人は出来ないってことじゃないの?」  そういうことなのかもしれない。 しかし出来る人は出来る出来ない人は出来ないと言うことなのであれば、美咲が出来ないと言うのはどういうことなのだろうか。 いや、今の時代女性が料理出来ないとダメと言うのは古いのだろうか。 私は結婚する以上は炊事洗濯は完璧にこなさなければいけないと思っているのでやはり私の考えは古いのかもしれない。 今は男女両方が炊事洗濯をして、仕事をして、そんな状態の夫婦生活が基本となっているのでやはりそうなのだろう。 「じゃあ片づけは私がしよう。 今日は私がすると言う話だったからな」 「だったらあたしも手伝う!」 「明日楽しようっていう魂胆なら却下ですよ?」 「そうは思ってないよ? 単に手伝いしてさっさと終わらせて何かしようって考えだから」 「何かするって、その遊ぶための何かがある前提で話しているが、あるのか?」 「一応テーブルゲームの類はあるんですよ。 トランプ系のカードとか、テーブル系の麻雀とか、出来る出来ないは関わらず用意はしてあります」 その中で美咲はトランプが良いと言ったので、他に誰も候補を出さないためトランプで遊ぶことになり、さっさと片付けるようにせかす美咲がいた。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加