必要より不必要を迫られる状態もあったりする

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夕飯の片づけも終わり、美咲提案のトランプも終わり、後は自由時間を楽しみつつ寝るまでの時間を各自ゆっくり過ごそうと言う時間になった時、私は先ほど思っていたことを実行するためにバルコニーに向かう。 そういえばここに来た時は深頭がテラスと言っていたが、バルコニーとテラスの違いって何なのだろうか。 大きさか?  「やっぱり思った通りだったな。 これは言いものを見たな」  外に出て空を見上げると、予想通りの星空が待っていた。 星座に関しては全然わからないが、普段見ないものを見るのはやはり気分転換にもなるので良いなと思う。 その時一際強く光る星を見つける。 確か太陽の光を反射して光るんだったか。 「春さんなにしてるんですか?」 「少し気分転換だ」  カーテンを閉めていたはずなのに私に気づいたのか、千里がやってきた。 星を見ていたと言うと、驚いた表情を浮かべこちらを見る。 なんだ、私が星を見ると言うのがおかしいのか? そう問いたくなる。 「そういえば、今日何かあったんですか? 光君と遠くに行ってましたが、何か見つけたり?」 「洞窟があってな、それが道につながってたんだよ」 「それだけのことが何故雰囲気変化につながるんですか?」 「二人組の男がいてな。 言ったっけか、私は男と言う生き物は得意ではないんだよ」 「前に聞いたような気がしますね。 後そういう素振りは見てましたけど」 素振りか。 普段通りに接していても見えるものは見えるのだろうなと思ったのだが、今はちょうど出来事があったおかげで色々ゆるくなっているのかもしれないなと感じる。 ふっと過去のことを言ってしまいそうになる。 それ自体には嫌悪などは無いのだが、聞いてもうれしくない過去ばかりなので、どう言ってもプラスにはならないと思っていたりする。 「昔色々あったんだよ。 言っても意味ないから言う気はないが」 「大体の予想は着きました、だからこそボクも言っておいた方が良いのかなって思うところもあります」  千里が言っておくべきこと? 真面目な事を言おうとする千里は初めて見たと言っても過言でないくらい珍しいことだと思う。 というか、こいつは普段明るいふるまいをしているのでもしかしたらくらい一面もあるのかと探ってしまう。 それは良くないとわかっているんだがな。
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