誰よりも強かった男の子の物語

霙の恋

霙『べ、別に良いでしょ？』

そう言って、俺に背を向けて再び作業を始めようとした

『お前……なんかの実験でもする気か？』

何も計らずに適当にボールに色々と放り込む霙に思わず突っ込んでいた

霙『料理よ！！』

そんな返しにふと霙の携帯か目に入り

(オリジナルホットケーキの作り方？)

そもそもこれを真似る時点でオリジナルなのか？って疑問も有ったけど

『ったく』

俺は棚からホットケーキミックスを取り出す

霙『な、何よ！！』

明らかに俺の持っている物を見て霙は不貞腐れていた

『とりあえず、何も聞かないから言う通りに作ってみろ』

霙『うーん……』

少し俺の言葉に少し悩んで

霙『分かった…』

珍しく素直に霙は言うことを聞いた

『バカ、出来もしないのに牛乳を入れるな！』

『なんで、卵３個も入れてんだよ、１個って書いてるだろ』

『バター引けバカ！！』

１つ１つの工程をどれもマトモに出来ない霙に俺はとりあえずツッコミ続けた

霙『おにぃーちゃん、表面がプクプクしてきたよー』

『おう、ゆっくりで良いから引っくり返してみろ』

霙『うん…

えいっ…出来たよお兄ちゃん！！』