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『完成ぃーー』
少し高そうなアンティークっぽいコップから、少し湯気を立てたコーヒを見て僕は思わず言ってしまった
霙『はい、とても美味しそうです』
霙ちゃんも満足そうに答えた
二人で再びリビングに戻る
霙『あのー咲哉様…』
僕が席に掛けた時に今までよりもっと控え目に霙ちゃんは問い掛けてきた
『どうしたの?』
少しだけ間が空いて、おずおずと
霙『宜しければ、ホットケーキなんて食べませんか?』
霙ちゃんの持っていたお盆には少し歪で少し黒いホットケーキが乗っていた
『うわぁー懐かしいね、食べたい』
冬の家に住んでいたときによく冬が僕達の為によく焼いてくれたホットケーキ
霙『はい!!』
霙ちゃんは僕の前にお皿を置いてくれた
『これ、霙ちゃんが作ったの?』
霙『は、はい……兄様みたいに綺麗じゃないんですけど』
『意外と綺麗に焼くのって難しかったりするもんねぇー』
そんな世間話を少しして
『いただきます』
手を合わせて、フォークに一切れホットケーキを刺して口に運んだ
その僕の一連の動作を霙ちゃんはずっと見ていた
霙『ど、どうですか?』
『美味しいよーとても』
僕は思わず笑顔で答えていた
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