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【十ー】
またつばきの花が咲く季節が巡り来た…。
年々聞こえてくる噂も少なくなったが…
こうして、満開の花が咲いたつばきの木を目の当たりにすると…
心がざわざわし出すのをどうしても止められずにいた…。
数日後の朝
散歩がてら見回りをしていた時、例のつばきの木の下に何かうずくまっているのを、見つけてドキッとした。
近付いてみると、女性がうずくまっていた。
『どうかしましたか?』
初めて女は顔をあげた!
『あなたは…』
(あの女の子にそっくりだ!まさかあの子の母親!?)
『私は、この神社の管理者、怪しい者ではないから安心して……』
「すみません…。つばきが綺麗なので眺めていたら、持病が急に痛み出して…」
女の言うことに嘘はなさそうだ!
考えた挙げ句、社務所で休むように勧めた…
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