第1話 紅つばき

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【一】 私が、この田舎町にある神社の宮司として赴任して来てから そろそろ3年になろうとしていた…。 この神社に初めて参拝した時の印象は 田舎町に在るとは思えないほど、立派な構えの神社で驚いた。 境内の参道横には 百年はとうに過ぎているだろう、杉の大木が何本も根を張りあっていた。 幹回りも凄かったが、根回りも直径数十メートルはあって驚いた。 うっそうとしていて昼間でも薄暗い。 とにかく静かな神社で、あまり人の気配が感じられなかった…。 それが余計に 神社自体の大きさ、広さ、奥行きの深さを感じさせた…。 宮司になって初めての赴任先としては 少しばかり荷が重いような気がした…。
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