この恋は春風に抱かれて…

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戻ってきた佐久良さんに座りやすいように椅子の向きをずらした。 「では乾かしますね」 ドライヤーをあて、空いてる手で髪を下からすくように空気をいれていく。 「とくに髪をセットする必要はないですよ」 ドライヤーを置き、最終チェックをした僕は鏡越しに佐久良さんを見た。 髭があるのはちょっと残念だが、来た時と比べると断然かっこよくなっている。 「バックスタイルはこんな感じです」 合わせ鏡で見てもらう。 「……」 相変わらず素っ気ない。 「よろしいですか?」
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