この恋は春風に抱かれて…

13/96
前へ
/96ページ
次へ
鏡をわざと左右に写して催促した。 「あぁ…」 軽くうなずいた佐久良さんを見て、僕は鏡を片付けると、椅子を回転させ会計をした。 「ポイントカード…いかがしますか?」 簡単にカードの説明をした。 「ヘッドマッサージは君がしてくれるのか?」 不意に質問されて僕は佐久良さんの顔をまじまじと見つめた。 真っ直ぐな瞳がこっちを見返してくる…。 「ご希望であれば…僕でよければ…」 「では頼む」 財布から紙幣を出した。 僕は動揺して震えそうな手を意識してお釣りとカードを渡した。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加