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好きにならないから…。
だからもう一度会いたい…。
そう願うのに一日…また一日と時が過ぎていく。
そうだ、これでよかったんだ。
あの人を思い出にして、そして忘れる。
時々ふわっと思い出しては一瞬でも恋をしたのだと喜べる…。
そしてまた一枚カレンダーをめくり破るんだ…。
「ちょっと…、真木くん」
常連客にパーマをセットしているときに店長に呼ばれた。
「ごめん、ここの箇所こっちと同じように巻いといて…」
僕はアシスタントにそう指示を出して店長が手招きするとこまで駆け寄った。
「予約無しで真木くんを指名するお客さんがいるのよ…。出来そう?」
「出来なくはないですけど…待たせちゃいますよ?」
予約無しで来る新規の客はそんなに珍しくない。
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