この恋は春風に抱かれて…

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だが、指名までしてくるなんて…。新規ではない。 「どなたです?」 それだけ聞いて持ち場に戻ろうとした。 「佐久良…さんって方よ」 「えっ…佐久良さん」 店長は「どうする?他の人にまわす?」と、気を使う素振りを見せた。 僕は首を降り、 「大丈夫です。今のお客様のパーマをかけてる合間に佐久良さんのカットをやりますから」 5カ月ぶりだ…。 どんな髪になっているのだろう…。 「では、暫くそのままに…。時間になりましたらまた来ますね」 僕は笑顔を見せ、パーマの加熱放置の客に雑誌を手渡した。
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