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「わかりました」
店長は指で指す代わりに目線で相手を指した。
僕はそれを追わなくても誰だかすぐにわかった。
何ヵ月も髪を切っていないのだろうというほど延び放題の髪をひとつに結び、髭もワイルドを越えてしまうほど…。
(ひどい…)
街で見かけたらまず見ないふりをしてしまうほど、不衛生に見えるその客に笑顔で近づいた。
「お待たせしてすみません」
鏡越しに謝った。
「……」
何の反応もしない。
僕は気を取り直して結んでいる髪ゴムを外した。
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