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[小話]
*満月さんと星を眺める3⃣
食えない人だな、とそう思った。
別に人間を食べる趣味はこれっぽっちも無い。性的な意味でもない。いやでも、あの腰のラインはなかなか…うぉっほん。
でも、それ以外にもその人の纏う雰囲気が少しだけ同じ感じがする、だなんて思ってしまった。
そんな筈無いのに。こんな屑な私と彼が同じだなんて。ある筈が、無いのに。
岩場に腰をかけて、空を見る。星が瞬いて、真っ暗な夜空を照らしていた。
もうすっかり日常の一部になってしまった、この天体観測。
今日はどうにも気分が晴れないのは、先程の手合わせのせいだ。勝ったのに、何だか勝った気がしない。
ご褒美として貰ったお菓子は、悔しいが美味しい。本当に、美味しい。
口一杯にお菓子を頬張りながら、相手の言葉に耳を傾ける。
空には、星が犇めき合い輝きを放っていて、それはまるで川のようだった。
「ふぃっふぃひぃっふぁふか?」
「え?」
「失礼…知っています?あの星の川を隔てて恋し焦がれる恋人の話」
咀嚼しながら、語るのは、昔聞いたおとぎ話。
一人の男と女が、一年という暦の中、たった一日だけ会う事を許された話。
「…夢のある話だネ」
相手の視線は星に向けられたまま。何を考えているのかは、相変わらず分からない。
「一年に一度だなんて、長すぎますよ。その間に浮気とかしてそうです」
人の想いなんて、そんなもんだ。情が薄れれば、気持ちは移る。捨てられる。物みたいに、簡単に。
つい昔を思い出して目頭が熱くなった。
これは不味い。泣きそうだ。悟られない内に帰る事にしよう。
立ち上がり、相手に背を向ける。
「さて…私は帰ります。お菓子、ご馳走様です。…あったかい味がしました。美味しかったです」
「それは良かったヨ」
振り返る事は無かった。
次に会う時には何かお菓子を作って驚かしてやろうと、私は泣きながら笑った。
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満月さんお借りしました。
ガトーショコラが嬉しかったんです…(=°ω°=)
おいしゅうございました!!おいしゅうございましたぁあああー!!
今回の話は時期的に天の川ネタを使ってみましたが…やっぱり文才ないですくっそぅうう(/ω;`)
因みに、幸は過去に育てて貰った貴族に裏切られてるので、軽い人間不信だからつい泣いちゃった☆という感じです(´∨`)
どうでも良いですね、はい。
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