二番星

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[小話] *清穆さんと目が合う サゼルメリク。 敵国でもあるその国に、美味しい餅菓子屋さんが出来たと風の噂で聞いた。 餅菓子好きの私にはたまりませんね。という訳で、休日に観光がてらお忍びでやって来ました、サゼルメリク。 お目当ての餅菓子屋さんには勿論、行きましたよ。ええ、美味しかったです。美味しかったですとも。 …でもね。お会計の時に戦慄が走りました。財布、忘れたみたいです。ヤバいです。身体から滝のように汗が流れ出ています。もう止まりません。 一か八かで、釣りはいらねぇぜ。と肩叩き券百枚セットを手渡したんです、100万ジェリカの笑顔で。 笑顔って良いですよね。万国共通で通じる素敵な表情ですから。でもね、店長さん何て言ったと思います? 「何か言い残す事はないか」 ええ、逃げましたよ。だってオーラ凄かったんですもん。あれは強化系ですよ。ジャンケングーとか言ってパンチするに決まってます。ヘタすりゃ顔を潰される…いや、存在そのものを消されると思いましてね。へっへっへ。 そんなこんなで只今サゼルメリクの街中を全力疾走してます。 いやー綺麗な街ですね。あははのは。 これで素敵な殿方…いや女の子が居たら最高ですね。 そう現実から目を背けたんですけどね。前を見て絶句しました。 数十メートル先にあったのは鮮やかな色合いの建物。つまりね、行き止まりです。 うふふ、神様ってば残酷なんだから。
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