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「……君、結城君」
「…………」
いやいや、待て待て、それで断られたり、変に誤解されたらどうする?
誘ってあからさまに困った顔とかされたら、かなりキツい物があるぞ?
「結城君!」
「え!?」
ビックリした。
「ど、どうしたんだ? いきなり大声出して」
「いきなりじゃないよ。ずっと話しかけてたのに無視するんだもん」
「あー、それはすまん。ちょっと考え事してて」
「ふーん?」
「それで、何?」
「うん、ええとね、結城君これから時間ある?」
あっさりと誘いの言葉をかけられた。
人が必死に悩んでいたのに。
自分から話を切り出さなくて済んだ安心感と、切り出せなかった男としての情けなさに、ちょっとした気まずさを感じる。
「あぁ、うん。大丈夫だ」
「そっか。ならさ、これからちょっと私に付き合ってもらっても良い?」
「いいけど、どこに?」
「またコアフレンズの店なんだけど、こことはまた違う別な所」
「ふーん……」
またコアフレンズの店かよ。
と、思わないでもないけど、好きな店を梯子したいって気持ちは少しわかる。
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