特攻隊員達の手紙

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【山下孝之 享年19歳】    只今、元気旺盛出発時刻を待って居ります。いよいよ此の世とお別れです。お母さん必ず立派に体当たり致します。  昭和二十年五月二十五日八時。 これが私が空母に突入する時です。今日も飛行場まで遠い所の人々が私達特攻隊のために慰問に来て下さいました。丁度お母さんの様な人でした。別れの時は見えなくなるまで見送りました。二十四日七時半 八代上空で偏向し故郷の上空を通ったのです。  では、お母さん、私は笑って元気で征きます。  永い間 御世話になりました。妙子姉さん、緑姉さん、武よ元気で暮らして下さい。  お母さんお体大切に。私は最後にお母さんが何時も言われる御念佛を唱えながら空母に突入します。  南無阿弥陀佛  昭和二十年五月二十五日       山下孝之少尉(熊本県) 第57振武隊 昭和20年5月25日戦死
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