運命の相手

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彼と出会ったのはバイト先のママに連れていかれたBAR。 田舎のスナックでバイトしていた私にはすごくオシャレな所にみえた。 店内は暗くオレンジ色のライトが淡くカウンターを照らしていた。 「私のボトル出して」 常連客のママはマスターに言うなりカウンターの真ん中に座った。 私はなれない雰囲気に戸惑いながら、ママの隣に座り店内をキョロキョロ見渡した。 カウンター席しかない店内には私たちともう一人のお客さんだけ。 「今日もお客は私と恭平さんだけね」 ママはマスターに笑いかけながら、タバコに火をつけた。 マスターは微笑むだけで、そっとママの前に灰皿を置いた。 「今日は栄子ママだけじゃないみたいだけど?」 ママの隣にいるお客さんが優しく低い声で話しかけてきた。 私からはそのお客さんの顔がよく見えない。 ただ、スーツ姿ということはわかった。
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