運命の相手

11/16
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
どんな顔をしていたがわからないが、その様子を見ていた男性が心配そうに ママの座っていた席に移動してきた。 「大丈夫?」 「はい・・・だ、だいじょうぶです」 私は息をすると同時にしゃべったせいか、変な声になってしまった。 「マスター、水お願い」 男性はそう言いながら胸ポケットからハンカチを取り出し、私に差し出してきた。 私はペコっとお礼をし、ハンカチを受け取った。 グレーベースのチェックのハンカチ・・・ そのハンカチを口元にそっと当て、フーっと胸から息を吐いた。 すごくいい香りがする。 香水?でも香水ほど強く、するどい香りではなく 柔らかく心地のよい香り。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!