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私より背の高い彼の頭をポンっと叩き、彼に背を向け教室を出た。
廊下にいた生徒は私に気づき、あいさつをしてきた。
私はいつものように、何事もなかったような顔をしてあいさつを返す。
誰もこの教室で何をしてたかなんて知らない。
そう思うと、笑みが勝手に出てしまう。
私がどんな人で何を考えているかなんて、誰も知らない。
誰も知らない秘密を持つと、また秘密を抱えたくなる。
それを私は繰り返す。
秘密のある心地よさを知っているから。
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