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深夜。
眠れず寝返りを繰り返す。
いい事の後は、少し不安になる。
夜の闇が、余計な気持ちを呼び覚ます。
恋をすると不安になるのは何故だろう。
ときめく心と背中合わせに張り付き、隙があれば入り込もうと様子を伺う。
一度不安に気が付いてしまうと、もう逃れられない。
不安は不安を呼ぶ。
何を恐がっているのだろう。
カーテンの隙間から差し込む月明かりが、闇をほんの少し明るくしたとしても、夜は消えない。
熱くなりかけた心が醒めてゆくのを感じながら、
問い掛ける。
これは本当に恋なのか…と。
誰かに触れられたい。
誰かに触れたい。
アイツでない誰かに。
梅雨入りしたはずの空に月が浮かぶ。
乾いた心に降る雨が欲しかった。
子供が親の気を引くために、わざと悪戯をするような…。
そんな気持ちに似ているのかもしれないと…眠りの淵で感じていた。
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