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お疲れ様。
「ズンバ」のレッスン、これからも出る?
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地味なメールだ。
つまらないメールだ。
でも、他に言葉が浮かばない。何か用事があるわけではない。他愛もないメールをやり取りする程、アイツとの距離は縮まっていない。
それでも何度か書き直して。
上手くいかなくて。
もう、いっそメールするのを止めようかとも思った。
いいトシして何をやっているのだ。自分が滑稽にも思えてやりきれない。
頭がパンク寸前、
送信した。
(あー送っちゃったよ…)
ソファーに携帯を投げ出して、上にクッションを乗せた。
視界に入らないように、隠したつもりだった。
それでも気になってクッションを上げてみる。
うんともすんとも言わぬ携帯を眺め、再びクッションで隠そうとした時、
着信があった。
!
(げっ…電話だ…)
アイツからの電話に心臓が跳ね上がった。
まさか電話が来るとは予想していなかった。
(落ち着け、わたし)
「もしもし…」
「俺ー」
「うん、」
(だ、ためだ緊張する…)
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