浅はかな思い

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翌日私は、出勤早々園長に退職願を提出した。 「ずいぶん急な決断ね。 本当にこれでいいのかしら・・・?」 園長は唐突な私の行動に戸惑いの表情を見せていた。 それでも私は自分の思いをしっかりと伝え、保留という形ではあるがどうにか退職願を受け取ってもらう事には成功した。 後は退職理由の強みとなるもの・・・、病院でもらう検査の診断書があれば完璧だ。 「今週金曜日にホルタ―心電図検査の結果を提出しに病院へ行きます。 その時に診断書を書いてもらいますから。」 こんな私は身勝手なのだろうか。 弱冠21歳という未熟さで、自分の将来を1人きりで決めようとしている。 ずっと誰かに頼って生きてきたけど、これからはそうはいかない。 自分の人生は自分で決める。 そしてやり直しの利く若い今だからこそ、いろいろな事を経験しておきたかった。
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