少女は、まるで。

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だんだん暗いところにも慣れてきたから、目が使えるようになった。 だが、9月の晴れが続く中で、足跡なんて残っているはずはなく。 彼女の家を見つけるのは、もはや不可能だと思われた。 諦めて、もうこのままここで一晩すごすか。 キミと一緒にいた、ここで。 そう思っていると、チョウが目の前を舞った。 そして、「ついてこい」とでも言わんばかりに、ひらひらと奥へ飛んでいった。 俺は、もう黙ってついて行くしかなかった。 * 一軒の家が、ある。 木造で、部屋の中から光がもれている。 なんとなく暖かい感じがした。 フラフラとドアの前にたち、ノックしてみる。
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