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いろいろと考え込んでいると、上方から光が射し込んできた。
真っ暗で何も見えなかった俺の視界に、一筋の光が伸びてきた。
「月明かりか…。案外悪くないな」
月を見ていると、不思議な気持ちになる。
あの子と同じ名前の月に、ドキドキする。
すごく昔の思い出が、頭の中に蘇る。
俺に笑いかける少女。
笑顔で手を差しのべて…
『ほら、行こう』
いつの間にか俺の目からは、涙がでていた。
泣くのなんて、何年ぶりだろう。
涙がこぼれるたびに、いろいろなことを思い出して、更に泣けてくる。
あぁ、ルナ。
君に会いたい。
「ん…?」
俺の視界に、月明かりではない光が入り込んできた。
「…!まぶしっ…!」
その光は、俺を照らした後、………落ちた。
「…?」
俺が顔をあげると、下に落ちた光に照らされた、
ルナにそっくりな少女がいた。
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