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「お兄ちゃん」
横の部屋から妹の真夏(まなつ)が携帯を片手に出てきた。
「私の携帯にも来た」
「そうか……」
そうしている間も、僕の携帯には、友人からのチェーンメールが次々と届いていた。
――ここの情報はけっこう正確みたい リンクチェックしてみて
メールのリンク先を覗いてみると、サイトはバラバラだが、どれも共通して青森県東方沖で地震が起こる。という内容が書かれていた。
信用度が70%に上がっている。
「これは本物かもしれないな。真夏、避難の準備するぞ」
「うん。ママは?」
六歳の妹は素直にうなずいた。
「ママは信じてない。俺たちだけで必要なものを準備しておこう」
真夏は分かったと言って部屋に戻っていった。
僕も部屋に戻り必要なものをリュックに入れた。
教科書はいらないだろう。ノート端末と貯金箱、好きな漫画を数冊、そうだ。寒いかもしれないから上着も持っていこう。枕が変わると眠れないので、ベットの上から枕を取りあげ脇に挟んだ。
とりあえずこんなものだろう。
僕は手に持った荷物に満足した。
部屋を出ると真夏も大きなリュックを背負って出てきた。
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