第1章

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「地震、本当にくるのか?」 開いた窓から聡太に声をかける。 「信憑性が80%まで上がってる。間違いなく来るってパパが言ってる」 車内を見ると、聡太の父親が隣りにいる母親の話に耳を傾けていた。 「津波大丈夫かな?」 「たぶん来る。ただそっちの信憑性はまだ50%だけど」 「ふーん」 「日向の親は?」 聡太は無言でぬいぐるみを抱えている真夏を見たあと、僕を見た。 「信じなかった」 「ふーん。まあ、仕方ないね」 聡太は短髪を弄りながら、肩をすくめた。 「お前んとこはよく信じたな?」 「うちは両親もEFSに入ってるから」 「聡太、交通整備情報を教えてくれ」 聡太の父親が、僕の顔を見て「こんにちは」と言ったが、すぐに視線を聡太に向けた。 僕のことはかまっている暇がないという感じだった。 「えー? ママに聞けばいいじゃん」 「ママは渋滞情報を見てるんだ」 「分かったよ。ちぇっ……、じゃあ日向、後でな」 窓を閉めた聡太は端末を開き、前方に向かって何か話しはじめた。
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