御守り

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 彼女と出会ってから一年が経つ頃には、すでに彼女もクラスの一員となっていた。  体育祭後には陸上部にも入り、厳しいトレーニングも楽しくこなしているのを間近で見てきた。  友達や仲間に囲まれて、あの弾けるような笑顔を浮かべることも増えていった。  ただ、ポケットに握る癖はなくならない。  二年生の始業式が近づくにつれて、その仕草の頻度はちょうど一年前と変わらなくなっていた。
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