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オレから聞いたわけではないが、視線で気がついたのだろう。
真紀は、すすっと指を隠した。
『…虫除けだもん』
バツの悪そうな、それでいて照れくさそうな顔だった。
指輪を見て、いくらか残念な気分になったのは事実だ。
あの夜抱いていたらどうなっていただろうと考えもした。
…仮にオレがその気になったとしても、ああまで吐いてたんじゃ無理に決まっていたが。
後になってみれば、手を出さなくて正解だったというわけだ。
浮気の片棒なんて担ぎたくないと言ったのは本心だった。
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