憎めない人

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憎めない人

「隆様、朝ごはんの支度が整いました。」 「分かった。すぐ行く。」 私がこの屋敷に来たばかりの頃、朝はゆっくり過ごしていた。 それもそうだ。 両親を亡くし、まだそれを受け入れることが出来ずに不安定だったあの頃の私は、五歳になったばかりの子供でしかなかったのだから。 今は親の事も受け入れる事が出来ているし、なにせ鳴瀬家には助けてもらった恩がある。 今思えば、何故見ず知らずの私を隆様のご両親が助けて下さったのか。 謎が謎を呼ぶばかりである。
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