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父は母の方を振り向き、悲しみを帯びた大きな溜め息を吐いた。
無表情だけど優しい顔。
普段あまり感情を表面に出さない父が見せた悲しい顔は、しっかりと私の目に焼き付けられた。
「お父さん・・・?」
意味がわからない。
どうして父は「育て方を間違えた」なんて言葉を発したのか。
だけど、その真意は・・・。
「そうね・・・。
笑美は昔から体が弱かったから、ずっと腫物に触るような扱いをしてきた事は否定できないものね。」
母の言葉には絶望が滲んでいた。
まるで、私をここまで育ててきた事を後悔するかのように。
彼女の返答は弱々しく、今にも泣き出しそうに涙を滲ませている。
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