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振り抜かれた大剣が薙刀を歪ませ、俺は吹き飛ばされる。
おそらく、まともに大剣の衝撃を受けとめれば俺の体が壊れる、真紀はそう判断し、裾から足を退かしたのだ。
だが、緩和されたとしても、両角鬼の力は凄まじかった。
俺の体は上下を入れ替えてゴム毬のように腐泥門の跳ね、その脇を一陣の風となった裾踏姫が並走する。
視界が逆転し、体が浮いた瞬間、その体の下に真紀が走りながら不自然な格好で足を突き入れる。
そこに在るのはコートの長い裾。
俺の体は慣性を無視して地に留められ、留めた方の真紀は己の慣性を殺しきれずに地を転がる。
すぐさま立ち上がった真紀の真後ろには理想郷結界の壁。
あのまま吹き飛ばされていれば、俺の体は今ごろ結界内にあったはずだ。
真紀はあくまで俺を結界内に入れたくないらしい。
真紀の髪型は動きやすさを重視したものであるが、地を転がった後では流石に顔に掛かり、塵に汚れた髪の間から瞳が覗く。
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