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手紙は此処に来てから書いたのだろう。 何通も書かれていた。 「みなみはんは、狩り孤児で祖父母に引き取られたんやけど。 あの一族は、魔力は強うないんや。ほなから、魔力を扱う仕事は無理やった」 魔力を扱う仕事は給料が高いが、一般的な仕事は賃金が安い。 魔力が無い無魔力者が人口の約半分。 高位魔力者は、一握りだ。 ユウのような高位魔力者は無魔力者にとっては脅威の存在でもあった。 「ほんま不憫な子やで。やっと成人して祖父母に恩返しと思たら、祖父さんが亡くなって祖母さんは病気や…」 師匠は、手紙の宛名をじっと見るユウにしみじみと話す。
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