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師匠はユウの様子を観察し、更に追い打ちをかけるように話した。 「みなみはんは、苦労を苦労と思わん性分なんや。 こんな魔界に連れてこられても、それを苦には感じてへん。それどころか、助けてもろた恩を感じてユウはんに尽くしとる。色々となぁ」 師匠の言葉がグサッとユウに突き刺さる。 成美を連れてきたのも、あの女性の胸の膨らみに似ていたからだ。 マチルダは豊かとはいえない胸だった。 成美の胸もそうだった。 ユウは身の回りの世話をする女性を選ぶ時に、知らず知らずにマチルダと似た女性を選んでいた。 「なにが言いたい」 「別に。ただ献身的に尽くすみなみはんに、少しは礼をしてもええんちゃうかと思うただけや」 そう話すと師匠は、畳にごろんと横になり月を見上げた。
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