第1章

8/9
前へ
/9ページ
次へ
ある日。 うまいうまいと食べていると体中に文字が浮かび上がってきた。 ハンバーグ 1 ハンバーグステーキの略 2 (Hamburg)鶏の一品種 卵用、また愛玩用。オランダの原産と…… 最初は気にはならなかったが毎食後それらは増えてゆき日本語のボキャブラリーも増えた。 学校の成績もぐんぐんあがり彼女も出来た。合コンにいってもモテモテだ。 ある夜、体中が文字で埋め尽くされ黒人みたいになった。トランペットのうまい黒人みたいになった。わし、イスラエル人やのに。 で、いつものようにファミコンのようなモノをしておると急激な吐き気がイサクを襲いユニットバスに駆け込み吐いた。 そしたら血と共に文字列が、 さらさらさらさら と、クチからバスタブへと かしんかしんと音を立てながらクチから出た文字が空のバスタブへと溜まってゆく。 白に近いベージュのバスタブが文字で一杯になったところで、イサク皮膚の色は元に戻っていった。 血を大量に失ったイサクは、ふらふらになりながら じゃぁ足からバスタブに入ってみようかとフラつく足からしゃかしゃかと入っていった。 文字の突起でこすれ、妙にちくちくする。 気にせずに肩まで浸かりきり、一息ついたところで無数に出来た細かいひっかき傷により血は流れ、 元々そこにある自分の吐いた血と混じり、 文字と文字の隙間に血がまんべんなく差し込み赤くなっていった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加