四月十六日 宮市 叶絵

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「し、幸せよ」 「へぇ、幸せなの?本当に?」 「本当よ!なんなのこんな事聴いて!ふざけてんの!?」 「ふざけてないよ。僕は至って真面目に聴いてる。それと、幸せだなんてさ、嘘はいけないんじゃない?」 「な、なんで嘘って決めつけんのよ!」 「これ、なーんだ?」 宮市叶絵に自分のスマホを見せる。見られたくない写真を保存して、ロックを掛けておけるアプリの中に入っていた写真を。指紋認証で解除出来るようにしてたのが、今回は仇になったね。 「ちょ、嘘、何見てんの!」 「これ、旦那じゃないよね?この男と寝てるの?旦那よりは顔もいいし性格もよさそうに見えなくもないけど。幸せなくせに、別の男と寝るの?」 「あ、あんたには関係ないでしょ!!」 「そう、僕には関係ないね。君が不倫してようが。お腹の子供が誰の子だろうが。ねぇ、どっちの子なんだろうね?君はどっちの子がいいの?もし別の男の子だったら、いつかバレるんじゃないかって怯えながら暮らすのかな?」 もうすぐ臨月に入ろうかという膨らんだ腹を撫でてみる。やっぱり僕は最低のクズみたいだ。腹に別の命の宿ってるのに、その命に対してなんの感情も湧かない。 不倫の末に出来た子なら可哀想に。まぁどっちの子だろうと、母親と一緒に逝く事になるからなんの心配もいらないね。 「僕ね、不倫する人間がこの世で一番憎くて許せないんだ。一人残らず殺し尽くしたいくらいにね。女は特に憎くて仕方ない。不倫の末に出来た子供がどんな目に遭うか、考えた事ある?だからね、そんな可能性ごと殺してあげる」
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