家族になる

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「だいたい男なんだからダチだったんだろ?いつから付き合ってんだ?お前ら」 「そうあらためて言われると・・・恥ずかしいな///」 「なんだよ!照れるなよ、キモイ」 「そうだね、本当に・・・」 思い出すことなんかなかったけど、権藤さんの件以来、昔を思い出すことが多くなった。 「僕らは幼稚園からの付き合いなんだ」 「は?幼稚園?」 「はじめて砂場で遊んだのがきっかけかな」 「砂場・・・なんだそりゃ」 桂斗くんは怪訝そうな顔をした。僕たちの出会いは本当にそんなに昔なんだ。 「その時は体が弱くて。僕の母が病気に負けないようにおまじないで女の子の格好をさせていたから・・・虎太郎は僕のこと女の子だと思ってさ、デートに誘われたんだよ」 「女装してたのか」 「そんなおおげさじゃないよ。赤とかピンクとか着せられてはいただけだし」 「それで女と間違えたのか」 「うん。それでデートの時にプロポーズしてくれて」 「幼稚園児がプロポーズ?」 「虎太郎はおませさんだったから」 「だけど幼稚園で嫁さがしか?マセすぎだろ」 「フフッ、そうだね。それでね、男だからって断ったんだ」 「当たり前だ」 「でもその後家も近所になったりして。ずっと僕の世話を焼いてくれたんだ」 「世話が焼けそうだしな、雪兎は」 「あはは、そうだね」 「中学生の時、虎太郎モテモテでね。女性と付き合ったりしてたけど・・・僕のこと思っていてくれたみたい」 「お前は気が付かなかったのか」 「子供だったからね。「俺の嫁になれ」って言われて、びっくりしたんだけど、僕も虎太郎のこと好きだったから」 「オヤジのことそういう目で見てたのか?」 「いや、その時はそういう『好き』じゃなくて友達だと思ってたんだけど。虎太郎の気持ちに応えたいって思ったら・・・違う『好き』になってた」 そこまで話したら勝手に涙が出てきた。
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