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そんなことを思い出しながら、これから勤めるオフィスの中に佇む。
喜多嶋「それじゃあ、これでオフィスの説明は一通り終わったな」
岡野「はい。岸さんにしてもらいました」
返事をしながら、手をそっとポケットに入れた。
そこには、お兄ちゃんからもらったストラップがある。
岡野(触ると、落ち着くんだよな)
触ったところから、じんわりあったかくなる感じがする……。
喜多嶋「岡野は、そうだな……」
言いながら、あたりを見回した喜多嶋社長が手招きをした。
相変わらず喜多嶋社長は隙のない格好良さだ。
喜多嶋「岸!」
岸「はい」
さっき別れたばかりの岸さんが、またそばにくる。
やっぱり目を瞠る綺麗さだから、どきっとなった。
毒舌のせいもあるだろうけど……。
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