第1話

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そんなことを思い出しながら、これから勤めるオフィスの中に佇む。 喜多嶋「それじゃあ、これでオフィスの説明は一通り終わったな」 岡野「はい。岸さんにしてもらいました」 返事をしながら、手をそっとポケットに入れた。 そこには、お兄ちゃんからもらったストラップがある。 岡野(触ると、落ち着くんだよな) 触ったところから、じんわりあったかくなる感じがする……。 喜多嶋「岡野は、そうだな……」 言いながら、あたりを見回した喜多嶋社長が手招きをした。 相変わらず喜多嶋社長は隙のない格好良さだ。 喜多嶋「岸!」 岸「はい」 さっき別れたばかりの岸さんが、またそばにくる。 やっぱり目を瞠る綺麗さだから、どきっとなった。 毒舌のせいもあるだろうけど……。
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