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喜多嶋「今日から、お前の下につけてやってくれ」
岡野(えっ!!)
岸「わかりました」
喜多嶋「じゃあ、後は頼んだ」
岸さんに僕を託すと、喜多嶋社長は安心したように社長室へと戻っていく。
それと同時に、くるっと岸さんが僕に向き直った。
メガネが光を反射して、一瞬白く光る。
岡野「よろしくお願いします」
勢いよく頭をさげて、ゆっくりとあげた。
岡野「岸さん。なにからすればいいですか?」
(とにかく、ハキハキと……)
岸「まず、声のトーンを落とせ」
岡野「へ?」
岸「うるさい。ここは幼稚園じゃないんだ」
眉をひそめて、岸さんが耳をふさいでみせる。
岡野「す、すみません」
(わー、叱られちゃった……)
落ち込むと、ポケットの中のストラップが存在感を増す。
岡野(そうだ。こんなことでめげないようにしなきゃ)
岸「私の仕事は、社長の補佐的なことが主だ。それにプラス交渉事も兼ねている。プレゼンを任されることも多い」
岡野「はい」
岸「だから……」
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