第1話

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喜多嶋「今日から、お前の下につけてやってくれ」 岡野(えっ!!) 岸「わかりました」 喜多嶋「じゃあ、後は頼んだ」 岸さんに僕を託すと、喜多嶋社長は安心したように社長室へと戻っていく。 それと同時に、くるっと岸さんが僕に向き直った。 メガネが光を反射して、一瞬白く光る。 岡野「よろしくお願いします」 勢いよく頭をさげて、ゆっくりとあげた。 岡野「岸さん。なにからすればいいですか?」 (とにかく、ハキハキと……) 岸「まず、声のトーンを落とせ」 岡野「へ?」 岸「うるさい。ここは幼稚園じゃないんだ」 眉をひそめて、岸さんが耳をふさいでみせる。 岡野「す、すみません」 (わー、叱られちゃった……) 落ち込むと、ポケットの中のストラップが存在感を増す。 岡野(そうだ。こんなことでめげないようにしなきゃ) 岸「私の仕事は、社長の補佐的なことが主だ。それにプラス交渉事も兼ねている。プレゼンを任されることも多い」 岡野「はい」 岸「だから……」
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