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 翌日から朝と夕に柳瀬波光(やなせなみてる)から確認のメールが送られてくるようになった。   マンゴーは届いたか?  いつも一行だけのメールだった。ウルルク名産の果実にかけているのは、かの地から送られてくるはずの品だった。それがいったいなんであるのか、タツオはしらない。この話をでっちあげたジョージもしらないだろう。     ただ情報保全部と進駐軍の反逆島(さかしま)派は、必死になってそのなにかを求めている。けれど、その秘密のなにかがタツオの元に届くことはなかった。  2日後、タツオたち3組1班はピクニックにでかけた。瑠子(るこ)さまと彩子(さいこ)もいっしょだ。別荘の敷地は広大で1000メートルを超える高さのトレッキングに最適な山まである。  早朝に別荘を出発して、山の頂(いただき)にある山小屋というには贅沢(ぜいたく)すぎる山荘を目指すことになった。男子はキャンプのための荷物の数々、女子はお手製の弁当をもってくる手はずである。
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