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シャツが濡れて、均整の取れた体に張り付いていた。
そのせいで、体のラインがハッキリ見える。
着やせするせいか、いつもよりも筋肉質に見えた。
見てるだけで、どきどきするけれど、問題はそこじゃない。
岡野(あっ……あの肩口のって、傷痕だよね……お兄ちゃんと同じ場所にある。まさか、岸さんが、でも、でも、同じ?)
僕は混乱しつつも、岸さんの肩に手を伸ばしていった。
触れれば、わかるような気がしたから……。
岡野「岸さん……」
そっと肩に指先を触れさせる。
濡れた服越しに、引きしまった薄い筋肉の感覚が伝わってくる。
それに、どぎまぎした。
岸「岡野?」
岡野「あっ!!」
いきなり問われて、指を離す。
岸「ぼやっとしてないで、行くぞ。それとも私の部屋は気に入らないのか?」
岡野「いえ、行きます。ぜひ行きたいです。行かせてください」
岸「だから、来ていいって話だ」
岡野(確かめないと……ちゃんと傷あとを……)
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