第6話

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シャツが濡れて、均整の取れた体に張り付いていた。 そのせいで、体のラインがハッキリ見える。 着やせするせいか、いつもよりも筋肉質に見えた。 見てるだけで、どきどきするけれど、問題はそこじゃない。 岡野(あっ……あの肩口のって、傷痕だよね……お兄ちゃんと同じ場所にある。まさか、岸さんが、でも、でも、同じ?) 僕は混乱しつつも、岸さんの肩に手を伸ばしていった。 触れれば、わかるような気がしたから……。 岡野「岸さん……」 そっと肩に指先を触れさせる。 濡れた服越しに、引きしまった薄い筋肉の感覚が伝わってくる。 それに、どぎまぎした。 岸「岡野?」 岡野「あっ!!」 いきなり問われて、指を離す。 岸「ぼやっとしてないで、行くぞ。それとも私の部屋は気に入らないのか?」 岡野「いえ、行きます。ぜひ行きたいです。行かせてください」 岸「だから、来ていいって話だ」 岡野(確かめないと……ちゃんと傷あとを……)
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