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第6話
街中で振りだした雨は、勢いを増してくる。
岸「急げ。この降り方じゃ、雨宿りした方がいい。近くに私の家がある。そこに行く」
さっとスーツの上着を脱いで、雨よけにしながら言われた。
岡野「え、はい」
岸「もっと速く走れ。だが、滑るのは許さないからな」
岡野「わかりました」
急かされて、必死に走る。
細身の岸さんは足が速くて、必死についていかないと追いつけなかった。
だから、そのことに気づくのが遅れたのだ。
岸「このあたりだ」
岡野「はい」
岸さんが、見上げたのと同時に僕の目には、それが映る。
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