第7話

1/10
112人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ

第7話

岸さんの部屋で、僕は真実を確かめると心を決めていた。 岸「なにか言ったか?」 岡野(聞こえなかったふり……でも、確かめずにはいられないよ) 「小さい頃、お兄ちゃんは僕のことをかばってケガをしたんです」 岸「っ」 さっと、岸さんが肩に手をそえる。 岸「こんなケガしてるやつは、いくらだっている」 岡野「それに……ソックスって……お兄ちゃんも、足先だけが白い黒猫をそう呼んでました」 岸「っ」 しばらく、岸さんからは返しがない。 岡野「やっぱり、岸さんが、お兄ちゃんなんですよね。おそろいのストラップ、僕が拾って持っています」 岸「っ!!」 目を大きく見開かれた。 岡野(認めてくれるよね。だって、やっぱりお兄ちゃんが、岸さんだ) でも、岸さんは、ふーっと息を吐く。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!