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第7話
岸さんの部屋で、僕は真実を確かめると心を決めていた。
岸「なにか言ったか?」
岡野(聞こえなかったふり……でも、確かめずにはいられないよ)
「小さい頃、お兄ちゃんは僕のことをかばってケガをしたんです」
岸「っ」
さっと、岸さんが肩に手をそえる。
岸「こんなケガしてるやつは、いくらだっている」
岡野「それに……ソックスって……お兄ちゃんも、足先だけが白い黒猫をそう呼んでました」
岸「っ」
しばらく、岸さんからは返しがない。
岡野「やっぱり、岸さんが、お兄ちゃんなんですよね。おそろいのストラップ、僕が拾って持っています」
岸「っ!!」
目を大きく見開かれた。
岡野(認めてくれるよね。だって、やっぱりお兄ちゃんが、岸さんだ)
でも、岸さんは、ふーっと息を吐く。
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