第9話

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岸「辛いか?」 岡野「大丈……夫……かも……」 岸「私のために耐えるお前が、かわいいよ」 なだめるように目元や頬や生え際へとキスがいくつも落ちる。 心地よさが、初めての刺激を柔らかく包んでいった。 ぎゅっと彼の腕にしがみついて、儀式のようなその行為に体を開いていく。 岡野(な、なんで……触られてるところが、熱い……) 熱がせりあがってくる感じに、身じろいだ。 凄まじい勢いで鼓動が速まってる。 肌はそそけ立っていってた。 岡野「ん……ぅ……っ」 岸「そろそろだな」 岡野「直哉さん」 情けない声が出るが、なだめるように髪を撫でてくれる直哉さんの手に、ほだされる。 岸「恐がるな。私はお前に、ひどいことはしない。いや、これはひどいことなのかもしれないな」 それに首を振った。 岡野「違う。僕は、ひどいと思ってないよ。僕だって、直哉さんをもっと感じたい」 岸「あまりあおるな。激しくなっても責任を取れない」 そう言いながら、直哉さんは、ゆっくりと僕に入ってくる。 苦しいところを過ぎれば、後は丁寧に馴らされたせいもあって、すぐいっぱいになった。 岡野「はーぁ」 吐息をついて、直哉さんを抱きしめる。 つながれば、これ以上ないほど僕たちの体は密着した。 重なる鼓動が嬉しくてたまらない。 岸「馴染むまで待つ。が、その後は、もう抑えられない」 岡野「……っ」 その言葉通り、その後、徐々に抜き差しが早くなり、最後には激しく揺さぶられながら意識を飛ばすまで抱かれた。 ただ、最後の最後まで、直哉さんが僕の快感を優先してくれたことはわかる。 それが、よけいに恥ずかしかったのだけどーー。
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