110人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
岸「辛いか?」
岡野「大丈……夫……かも……」
岸「私のために耐えるお前が、かわいいよ」
なだめるように目元や頬や生え際へとキスがいくつも落ちる。
心地よさが、初めての刺激を柔らかく包んでいった。
ぎゅっと彼の腕にしがみついて、儀式のようなその行為に体を開いていく。
岡野(な、なんで……触られてるところが、熱い……)
熱がせりあがってくる感じに、身じろいだ。
凄まじい勢いで鼓動が速まってる。
肌はそそけ立っていってた。
岡野「ん……ぅ……っ」
岸「そろそろだな」
岡野「直哉さん」
情けない声が出るが、なだめるように髪を撫でてくれる直哉さんの手に、ほだされる。
岸「恐がるな。私はお前に、ひどいことはしない。いや、これはひどいことなのかもしれないな」
それに首を振った。
岡野「違う。僕は、ひどいと思ってないよ。僕だって、直哉さんをもっと感じたい」
岸「あまりあおるな。激しくなっても責任を取れない」
そう言いながら、直哉さんは、ゆっくりと僕に入ってくる。
苦しいところを過ぎれば、後は丁寧に馴らされたせいもあって、すぐいっぱいになった。
岡野「はーぁ」
吐息をついて、直哉さんを抱きしめる。
つながれば、これ以上ないほど僕たちの体は密着した。
重なる鼓動が嬉しくてたまらない。
岸「馴染むまで待つ。が、その後は、もう抑えられない」
岡野「……っ」
その言葉通り、その後、徐々に抜き差しが早くなり、最後には激しく揺さぶられながら意識を飛ばすまで抱かれた。
ただ、最後の最後まで、直哉さんが僕の快感を優先してくれたことはわかる。
それが、よけいに恥ずかしかったのだけどーー。
最初のコメントを投稿しよう!