第10話

2/12
110人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
岡野「どうぞ。特にスープは自信作っ!」 直哉さんの隣のイスに座って、僕はじっと見つめた。 岡野(口にあうといいけどな……) 岸「いただきます」 丁寧に手をあわせて、直哉さんがスプーンでスープをすくった。 じっと見つめていると、きれいな口元が飲みこんでいく。 岡野(なんか、食べる姿って、色っぽいよね。直哉さんだから?) ちらりと見えた舌なんかに、ドキドキして、結構僕は頬が火照ってた。 岡野「おいしい?」 首を傾げて聞くと、ふっと微笑まれる。 岸「うまいに決まってる」 岡野「ホント!?よかった。じゃあ、また来たときにも作ってあげる」 岸「お前も食べてみるか?」 岡野「え?」 腕をつかまれたと思ったら、すっと顔が近づいてきて??。 岡野(で、キス!?) 重なったところから、ほんのりとスープの味がする。 岡野(こんな味見の仕方があるんだ……) うっとりと眼を閉じかけたところで、くちびるが離れた。 岸「愛してる。ヒロ」 岡野「う、うん。僕も……」 岸「夕べ、さんざん言ったから、今さらか?」 岡野「っ!!ううん。また、聞けて嬉しい」 (そうだった……夕べ、何度も耳元にささやかれて、甘くとろけるようで……) 思いだしただけで、カーッと耳たぶが熱く火照りあがる。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!