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岡野「どうぞ。特にスープは自信作っ!」
直哉さんの隣のイスに座って、僕はじっと見つめた。
岡野(口にあうといいけどな……)
岸「いただきます」
丁寧に手をあわせて、直哉さんがスプーンでスープをすくった。
じっと見つめていると、きれいな口元が飲みこんでいく。
岡野(なんか、食べる姿って、色っぽいよね。直哉さんだから?)
ちらりと見えた舌なんかに、ドキドキして、結構僕は頬が火照ってた。
岡野「おいしい?」
首を傾げて聞くと、ふっと微笑まれる。
岸「うまいに決まってる」
岡野「ホント!?よかった。じゃあ、また来たときにも作ってあげる」
岸「お前も食べてみるか?」
岡野「え?」
腕をつかまれたと思ったら、すっと顔が近づいてきて??。
岡野(で、キス!?)
重なったところから、ほんのりとスープの味がする。
岡野(こんな味見の仕方があるんだ……)
うっとりと眼を閉じかけたところで、くちびるが離れた。
岸「愛してる。ヒロ」
岡野「う、うん。僕も……」
岸「夕べ、さんざん言ったから、今さらか?」
岡野「っ!!ううん。また、聞けて嬉しい」
(そうだった……夕べ、何度も耳元にささやかれて、甘くとろけるようで……)
思いだしただけで、カーッと耳たぶが熱く火照りあがる。
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