第8話

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岸「それに、今度は結構、ヒロに厳しくしたはずだ。優しい相手になつかないようにって……」 岡野(なんか言い淀むような顔になったような……) 「岸さんは……厳しいけど……ちゃんと僕のことを考えてくれてるのはわかるから……」 (僕の声……とまどいが滲んでる……) 岸「そうだな。すっかり、お前に毒気を抜かれた」 岡野「?」 岸「お前、私を見つけると、あからさまにほっとするようになったぞ」 岡野「ぼ、僕、そんなにハッキリ顔に出てました?」 あわてて、自分の顔を指先で触る。 岸「最初はおびえていたくせに、最近はすぐ私を探すようになっただろ?」 岡野「それは……岸さんが、どこにいるか確認したくて……」 岸「小さい頃と一緒だ。同じようにならないようにしてたのに……」 岡野「だけど、岸さんが相手なら、いつだって、どこで会ったって、僕は同じだと思います」 勢い込んで告げた。 岸「なっ……」 岸さんの顔が赤らむ。 岡野(頬がバラ色だ……きれいで……色っぽい……) 「岸さん……」 触りたくて、つい手を伸ばしてしまった。 岡野(ダメだ、こんなの……) そう思って、腕を引っ込めようとしたとき、その手首を取られた。 岡野「っ」 岸「ヒロッ」 ぐいっと引き寄せられる。 次の瞬間には岸さんの腕に中に拘束されていた。 岸さんの熱に包まれていることが信じられない。 岡野(な、なに?僕……今……岸さんに抱き締められている!!)
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