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俺は門番だ。
俺の隣には凄腕のスナイパーがいる。
「門番! 家に入ったわよ!」
こいつがリッカ―俺の休日をピンポイントで撃ち抜く凄腕のスナイパーだ。
しかも、「入ったわよ」とか過去形だ。
こいつの教育をした奴出て来い。
「約束、覚えてるわよね!」
「あ~、そういえばそんなのあったな」
「ま、まさか、忘れてたのっ!」
「そんなわけねーよ
耳かきだろ? 覚えてるよ」
「覚えてるじゃない!
まぁいいわ、ほら早く来なさい」
正座して、自分の太ももをパンパンと叩くリッカ。
「ちょっと待て、俺がやるんじゃないのか?」
「何言ってんのよ、あんたが耳かきされるほうよ」
「わ、わかったよ、しょうがねぇな」
ここは素直にリッカの太ももに頭を置く。
なんかふにふにっていうか、暖かいっていうか……とにかくどうでもいいことを思いついてしまう。
「ほ~ら、いくわよ、動かないでね」
俺は耳の中をカリカリされながら、少しだけ昔を……といっても6年前のことを思い出してた。
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