第11話 門番と約束

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-6年前 というのは、俺が勇者になる2年前だ。 俺はいつも通りに怠けていた。剣術なんてとっくに免許皆伝したし、ちょっと街を出たら金を稼げる。 つまり俺は暇を持て余していた。何か新しい刺激が欲しかった。 「金も無くなりそうだし、なんか狩ってくるか……」 剣を片手に家を飛び出る。 そして何のアテもなく街の外をぶらぶら。 いつも通り、ホントにいつも通りだった。 でも、森の中に入ってある女の子を見つけてしまい、俺の日常は崩れた。 「お前、ここで何をやってるんだ?」 話しかける。まだ13~14ぐらいの子供だ。 軽鎧にショートソード一本。非常に心もとない装備だ。剣一本の俺は人のこといえないがな。 「関係ないでしょ」 素っ気ない返事だ。 「いや……、危ないだろ……」 「知ってるわよそれくらい。 でも、やらなきゃいけないのよ!」 「何をやるんだ? ここらへんにお前でも倒せそうなモンスターいたか?」 「キメラを一匹よ」 「え、無理だろ、諦めろよ」 「やるったらやるの!邪魔しないでよね!」 ―数十分後― 「うわぁぁぁん!強い強いよ~こんなに大きいなんて聞いてなかったよ~助けて~!!」 ほら言っただろ…… 仕方ねぇな…… 「ほらよっと」 俺は近くの木を切り、蹴ってキメラの方向に倒す。 ぐげえぇとキメラがひしゃげた声を出す。 「良かったなぁ、勝手に木がキメラに倒れてきて」 「は、ははは、ま、まぁあね……」 「あれぇ、倒したのに脚が震えてるぞ?」 「う、嘘ぉ」 「冗談だよ、まぁ気をつけて帰れよ」 たまには、人助けも悪くないなぁと思いつつ俺は森から出た。 でも、飯抜きになったがな。
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