第11話 門番と約束

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「よう、また会ったな」 「げっ、あんた昨日の……」 翌日、また森の中をうろついているとこの子に会うことが出来た。 「おいおい、人に会って【げっ】はないだろ あ、そうそうお前に伝えたいことがあってな」 「な、なによ」 「お母さん危篤だそうだ、早く戻ってやれよ」 「きとくって何よ……」 「死にかけてるって意味だよ!」 「そ、そんなっ!嘘でしょ!約束したのに!」 少女は剣をその場に投げ捨てて、街の方に走って行った。 「………………」 まぁ、気になるから追いかけるか。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「お母さんの嘘つき! 私が、私が助けるまで死なないって言ったじゃん!!」 「……ごめんね」 細いような声で返す女性。 「お母さんなんか大っ嫌い!」 ドアを勢いよく開けて、走り去っていく少女。 よく走るなぁお前。 「……すみません、そこの方、話をよろしいですか」 なん……だと…… この人何ものだ! けっこう気配消してたのに! 「す、すんません、立ち聞きしちゃって」 「あなたがあの子に伝えてくれたのですね、ありがとうございます」 「うわ、なんでわかんだよ」 「これでも私は人の心を読むのが得意なんですよ」 「そうっすか、立ち聞きしたのは謝りますけど俺に何か用ですか?」 「……私、見ての通り病弱であと何日もつかわからないんです」 「見ればわかります」 「それで、あなたに娘のことを頼みたいのですが……」 「やだよ、面倒くさい」 「そこをなんとかお願いします」 「じゃあ、条件がある」 「すみません、お金はあまり持ってないです……」 「じゃあ、言葉が欲しい これでも俺の親はなんの一言もなしに俺を置いて死んだいった。 だから、なんか一言伝えてやる。」 「……え、それじゃ、あなたが……」 「じゃあ、なかったことに……」 「わ、わかりました。 私があの子に伝えたかったこと……それは……」
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