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これは一体どういう事だろうか。
あっ、どうもみなさんお久しぶり、秋風陽太です。早速であれなんだけどね、ちょっと俺今困惑してるんですよ。
その理由はね、昨日うちのクラスに転校してきた転校生にあるんだよね、実は。
まったく……何を考えてんだかねぇ"あいつ"は……。
「なぁ陽太」
頬杖をつきながらボーッとそいつを眺めていると、不意に左隣から名前を呼ばれた。
目を向ける先にいるのは、俺が世界で一番愛してると言っても過言ではないが絶対にそんな事は言ってやらない『赤氷の女王』などと呼ばれている我が彼女、白橋夏氷が何やら険しい顔付きでこちらを見ていた。
「………なんだ、腹でも壊したのか?」
「なんでだよ!そんな事一言も言ってないだろうが!」
「いや、結構切羽詰まった顔してるから、トイレ行きたいのかなぁと思って」
「そんな顔してないし!……そんな事より陽太、真剣な話だ」
仕方ないので真面目に夏氷の話を聞く事にした。
「今、"あいつ"はクラスのみんなに質問攻めにあってるだろ?それで私ちょっとまずい事に気付いちゃったんだよ」
夏氷の言う通り、現在転校生である"あいつ"はクラスメイトたちに囲まれていろいろと質問されている。
転校してきた昨日は一日中俺に引っ付いてたからなぁ……質問する間がなかったから今やってんだろう。
……と、そんな事より、
「まずい事って?」
「……もし、クラスの誰かが何の気なしに"あいつ"の身長に対する事を口にしたら、ちょっとヤバくないか?」
「………」
それはちょっとじゃなくかなりヤバいね。
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